今シーズンもバッチリ筍です👍
少し時間が経ってしましいましたが、今年も毎年お世話になっている富士宮の【風岡たけのこ園】さんに、肥料にしてくれる牡蠣殻を届けにがてら伺って来ました。
もうかれこれ10年以上のお付き合い。毎年素晴らしい筍を送ってくれています。しかも、毎年過去最高を更新しているような美味しさ。それは、育てている風岡さん自体が元プロトライアスロン選手のアスリートであり、常により上を求めている人間性に依るものと常々思っています。
筍は1年毎に、『表年』『裏年』を繰り返す、といわれて、味は大差ないのですが、収穫量に大きく差が出てきます。ですが、風岡さんの山は、これ以上ないくらいに手入れをし、裏年でもそれほど収穫量は落ちることがありません。
これって、ひじょーーに難しいことで、山の手入れを常にするということは、筍を収穫する(育てるではなく)農家さんはしない、できないのです。
なぜなら、筍は時のごとく、『竹』の『旬』。ほんの一時期にしか、収穫できない、つまり、収入がない、ということです。ということで、普通の農家さんならば、筍の時期以外には、他のお仕事、他の農作物を育てたりしています。筍は、生えてきた筍を採っているに過ぎないような。それを風岡さんは、1年中、山に入り、耕したり、肥料を入れたり、手入れをしています。筍の時期以外はタレントをしている訳ではないんです。
テレビに出たりしていますが、それはあくまでも、筍の、農業の普及活動の一環なのです。主は『筍』、その他の活動は、『筍、農業への導き』の為なんです。なかなかテレビなどに出るとそれがすべてに思われる方々が多いようで、実際の姿とのギャップに驚く方もいるようです。でも、何事も、実は表に見える部分よりもそれまでの過程や、それ以外にする活動の方が大事だったりします。それは、見せる必要はなかったり、知ってもらう必要ないかもしれません。ですが、簡単には物事は結果が伴わない、ということをリスペクトする必要があると思います。風岡さんのことでもそうですし、その他の農家さんや、食に携わる方々、料理人、いや、すべての職業の方々、いやいや、家庭の仕事をする人だってそうだと思います。
さてさて、筍の山は今年もしっかり手入れされていました。今年の冬はしっかり寒さがありましたので、去年、一昨年のような暖冬とは違い、例年通りの収穫開始になるようでした。なので、3月終盤~4月中旬くらいが最盛期、なんとかゴールデンウィーク頃までは楽しめるんではないかと思います。
風岡さんのタケノコの山の特徴は色々ありますが、その一つに『斜面にある』ということがあります。“手入れのちゃんとしている畑”のタケノコは大きくなっても固いということはありません。むしろ、大きいタケノコほど味がのります。それは、そうです。大きいタケノコは土の中にタケノコの状態で長く居る、つまり、栄養を受け続けられる、ということです。そして、斜面にあるということは、掘る際に、斜面と逆側から鍬を入れることによって平地の場所よりも容易に掘り出せる、ということです。1本、2本ならば、平地で堀おこすのも、頑張れますが、最盛期となれば、何十キロにも収穫しなくてはなりません。斜面で踏ん張りながら掘る、というのはそれはそれで大変ですが、それでも、大きなたけのこを掘れる大きなアドバンテージになるわけです。
また、風岡さんの竹の子の山の土質は他と違う赤土で、筍自体にアクが少なくなる特徴もあります。ということは、茹でる際に『アク抜き』、つまり、『糠茹で』が必要ないということです。『糠茹で』しないで済むと、『糠抜き』もしなくて済みます。余計な味を入れないで済みます(糠茹で)し、必要ない味を抜くこともしないで済みます(糠抜き)。なので、下茹でした筍は『純』な筍の味を味わうことができるのです。トウモロコシのような甘い香りが茹でている時から店中に漂い、味もヤングコーンをもっと味を濃くして歯ごたえよくしたような。『この筍は、他と味が違うんですね』と言われますが、いやいや、これが筍の味なんです。ま、味は他より濃いですけどね。ってことなんです。
普通の筍ごはんは、糠茹で→糠抜き→出汁で醤油で味付けして炊く、という行程ですが、【階段ノ上ノ食堂】の筍ごはんは、下茹で→『塩』で味付けして炊く、となります。風岡さんちの筍には、出汁も醤油も必要ない、と感じるからです。
当店のごはんは、staubという鋳物の鍋で炊いて、保温ジャーに移すのですが、筍ごはんを移す作業は、その蓋を開け、香りのある湯気が立ち上がる瞬間はスタッフの間でも人気の作業なんです。
タケノコごはんをご注文の際は、まず、その香りを楽しみ、そして、口に運んでいただきたいものです🍚
今シーズンも【階段ノ上ノ食堂】の【風岡タケノコ園】をお楽しみくださいませ~💪💪💪
で、この筍がしっかり入った
【春の折箱】予約受け付け中です(3月25日締切)。